環境が整ったので、実際にClaude Codeへ作業をさせてみる。この章を読むと、指示の出し方、AIがファイルを読み書きする流れ、そして変更内容を確認して承認するまでの一連の型が身につく。ここが、以降のすべての操作の土台になる。

目次

章タイトル
1Claude Codeで作業する5段階
2ステップ1:フォルダを開く
3ステップ2:AIへ指示を出す
4ステップ3:AIの動きを読む
5ステップ4:変更内容を確認する
6ステップ5:承認する・却下する
7確認モードを切り替える
8やってみる:最初の1回

1. Claude Codeで作業する5段階

Claude Codeでの作業は、次の5段階になる。最初に一度だけ準備をして、あとは②〜⑤を繰り返す形になる。

┌──────────────────────────────────┐
│ ① フォルダを開く                   │  自分 ← 最初に1回だけ
│    どこで作業するかを教える          │
└─────────────┬────────────────────┘
              ↓
    ┌─────────────────────────────────────┐
    ↓                                     │
┌──────────────────────────────────┐      │
│ ② 指示を出す                      │  自分 │
│    「この資料を整理して」           │      │
└─────────────┬────────────────────┘      │
              ↓                           │
┌──────────────────────────────────┐      │
│ ③ AIが動く                        │  AI  │
│    ファイルを探す・読む・案を作る     │      │
└─────────────┬────────────────────┘      │
              ↓                           │
┌──────────────────────────────────┐      │
│ ④ 変更内容が提示される              │  AI  │
│    「こう変えます」を画面に表示       │      │
└─────────────┬────────────────────┘      │
              ↓                           │
┌──────────────────────────────────┐      │
│ ⑤ 確認して承認する                 │  自分 │
│    OKなら反映、違えば却下           │      │
└─────────────┬────────────────────┘      │
              │                           │
              └───────────────────────────┘
                 続けて次の指示を出す

自分が手を動かすのは①②⑤だけである。③と④はAIの担当になる。

①は最初の1回だけで、以降は②〜⑤の繰り返しになる。 承認が終わったら、同じフォルダのまま次の指示を出せばよい。フォルダを開き直す必要は無い。この一周は、慣れれば数十秒で回る。

以降は2章「ステップ1:フォルダを開く」から、この5段階を順に見ていく。


2. ステップ1:フォルダを開く

作業を始める前に、どのフォルダで作業するのかをClaude Codeに教える必要がある。

なぜフォルダを開く必要があるか

Claude Codeは、パソコンの中身すべてを見られるわけではない。開いているフォルダの中だけが作業範囲になる。

これは制限ではなく、安全のための仕組みである。「資料フォルダ」を開いていれば、AIが誤って別の場所のファイルを触ることはない。

書類/
├── 資料/          ← ここを開くと
│   ├── 企画.md         AIが見えるのはこの中だけ
│   └── 名簿.csv
└── 写真/          ← ここは見えない

手順

  1. VSCodeのメニューから ファイル → フォルダーを開く を選ぶ
  2. 作業したいフォルダを選ぶ
  3. 「このフォルダーの作成者を信頼しますか?」と聞かれたら、信頼するを選ぶ

画像は準備中VSCodeでフォルダを開き、左側にファイル一覧が表示されている画面

左側にフォルダの中身が一覧で表示されれば準備完了である。


3. ステップ2:AIへ指示を出す

Claude Codeのパネルを開き、やってほしいことを打ち込む。

日本語で普通に書く

コマンドや決まった書式は無い。人に頼むときと同じ日本語でよい。

企画.md を読んで、要点を3つにまとめて
名簿.csv から、住所が空欄の行を抜き出して
このフォルダの資料を全部読んで、内容の重複を教えて

丁寧語でも命令形でも通じる。改行を含む長い指示も出せる(Shift + Enter で改行すると、送信せずに次の行へ移れる)。

ファイルを指定する

特定のファイルを扱ってほしいときは、@ を使うと確実に伝わる。

@ を打つとファイル名の候補が出るので、そこから選ぶ。

@企画.md の構成を見直して

ファイル名を普通に書いても大抵は伝わるが、似た名前のファイルが複数あるときは @ で指定した方が間違いがない。

フォルダごと渡すこともできる。この場合は末尾に / を付ける。

@資料/ の中身を確認して、一覧表を作って

良い指示・伝わりにくい指示

指示の質は結果に直結する。原則は「人に頼んでも伝わるか」になる。

伝わりにくい良い
いい感じにして見出しを3つに整理して、各見出しに要点を1行ずつ付けて
直して誤字を直して。内容は変えないで
まとめて3つの資料の共通点だけを抜き出して、箇条書きにして

左の書き方でも動くが、AIが意図を推測することになるため、狙いと違う結果が返りやすい。

やってほしくないことを添えるのも有効である。「内容は変えないで」「新しいファイルは作らないで」のように、範囲を狭める一言を足すと安定する。

指示のコツは「結果を安定させるコツ — 指示・頼む量・つまずいたときの判断」でさらに詳しく扱う。


4. ステップ3:AIの動きを読む

指示を送ると、AIが動き始める。画面には作業の進行が順に表示される。

企画.md を読んでいます...          ← ファイルを読んでいる
資料/ を検索しています...           ← ファイルを探している
企画.md を編集します                ← 書き換えようとしている

ここで何もしなくてよい。読んでいる間は待つ。

重要なのは、読むだけの操作は勝手に進むという点である。ファイルを開いて中身を確認する作業に、いちいち許可を求められることはない。止まるのは、書き換えが発生するときになる。

処理が長引いているときは、Esc キーで中断できる。指示を出し間違えたときも同様に止められる。


5. ステップ4:変更内容を確認する

AIがファイルを書き換えようとすると、変更内容が画面に提示される。ここが一連の流れで最も重要な場面になる。

左右に並べて表示される

変更前と変更後が、左右に並んで表示される。

画像は準備中変更前と変更後が左右に並び、削除が赤・追加が緑で示された確認画面

┌──────────────────┬──────────────────┐
│ 変更前            │ 変更後            │
│                  │                  │
│ 会議は火曜です     │ 会議は水曜です     │  ← ここが変わる
│ 場所はA室         │ 場所はA室         │
└──────────────────┴──────────────────┘

赤と緑の意味

変更箇所には色が付く。意味は2つだけである。

色意味
赤消える行
緑追加される行

行を書き換える場合は、元の行が赤、新しい行が緑で表示される。赤と緑が対になっている箇所は「書き換え」と読めばよい。

どこを見ればよいか

全部を精読する必要はない。次の2点だけを見る。

  1. 頼んだ範囲の外を触っていないか — 「誤字を直して」と頼んだのに、文章の構成まで変わっていないか
  2. 消える部分(赤)に、消したくないものが無いか — 追加より削除の方が取り返しがつきにくい

判断するのは内容の良し悪しではない。「頼んだ通りのことをしているか」だけを見ればよい。


6. ステップ5:承認する・却下する

確認したら、どうするかを決める。

3つの選択肢

選択肢どうなるか使う場面
承認する変更がファイルに反映される問題がないとき
却下する変更は破棄され、元のまま意図と違うとき
指示し直す却下したうえで、修正を伝える惜しいが直したいとき

3つ目が実用上よく使う。却下だけして終わるのではなく、「見出しはそのままで、本文だけ直して」のように何が違ったのかを続けて伝えると、AIはそれを踏まえてやり直す。

迷ったら却下してよい

却下にコストは無い。ファイルは変わらないままなので、判断に迷ったら却下する方が安全である。

もう一度同じ指示を出しても、状況は悪くならない。承認して意図しない変更が入る方が、後から戻す手間が大きい。


7. 確認モードを切り替える

ここまで「変更内容が提示される→確認して承認する」という流れを説明してきた。ただし、初期状態ではこの確認画面が出ないことがある。

初期状態は「自動で進む」設定になっている

Claude Codeには、どこまで自分で確認するかを決める設定がある。プロンプト入力欄の下に、現在の状態が表示されている。

表示動き
AutoAIがほとんどの操作を確認なしで進める
Manual書き換えのたびに確認を求める
Plan実行前に計画を提示する(「Plan Mode — 実行前にAIの計画を確認する」で扱う)
Edit automaticallyファイル編集だけ確認なしで進める

Pro・Max・Teamプランでは、初期状態が Auto になっている。 つまり、何も設定しなければ確認画面が出ないまま編集が進む。

Autoは何も見ていないわけではなく、別のAIが内容を点検している。慣れてくればこの方が速い。しかし最初のうちは、自分の目で見る状態にしておいた方がよい。

Manualに切り替える手順

  1. プロンプト入力欄の下にあるモード表示を押す
  2. 一覧から Manual を選ぶ

画像は準備中モード表示を押し、Manual・Auto・Plan などの選択肢が開いた画面

これで、書き換えのたびに確認が入るようになる。

一度Manualを選ぶと、次の会話でもManualで始まる。毎回切り替える必要はない。

最初はManualを勧める理由

理由は2つある。

1つ目は、AIの動き方が分かること。 どんな指示にどう反応するのかは、変更内容を1つずつ見ていくのが一番早い。何回か見ていると、指示の出し方の勘所が掴めてくる。

2つ目は、確認の判断基準ができること。 何を見ればよいかが分かっていないうちに自動で進めると、問題が起きたときに気づけない。まず自分で見る経験を積んでから、任せる範囲を広げていく順序がよい。

慣れてきたら、Autoに戻して構わない。どの操作を自動で許可するかを細かく決める方法は「Permissions — 確認を減らしつつ、危険な操作だけ止める」で扱う。


8. やってみる:最初の1回

ここまでの流れを、実際に通しでやってみる。

練習なので、消えても困らないフォルダを用意する。デスクトップに 練習 というフォルダを作り、その中に メモ.txt を作る。

練習/
└── メモ.txt

ここで、メモ.txt に文章を書いておく。 空のままだと、AIに直してもらう材料が無い。次のような数行でよい。

明日の会議は水曜の14時から会議室Aで行う。
議題は新しい企画の進め方と、来月の予算の確認の2つ。
参加するのは営業部の3人と、経理部から1人。
資料は前日までに共有しておく必要がある。

内容は何でもよいが、箇条書きになっていない文章にしておく。これから、これを箇条書きに直してもらう。

手順は次の通りである。

1. VSCodeで 練習/ フォルダを開く
2. モード表示が Manual になっているか確認する(7章)
3. Claude Codeのパネルに指示を打ち込む
     → 「@メモ.txt の文章を、箇条書きに直して」
4. AIが動くのを待つ
5. 提示された変更内容を見る
     → 赤(消える行)と緑(追加される行)を確認する
6. 問題なければ承認する
7. メモ.txt を開いて、実際に変わっていることを確かめる

7番目まで確認できれば、基本操作は身についたことになる。

うまくいったら、却下も試しておくとよい。もう一度別の指示を出し、提示された変更を却下してみる。ファイルが元のまま変わらないことを確かめておくと、以降の操作で迷わなくなる。


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ここまでで、指示を出して結果を確認する流れができた。次はこの流れをもう少し快適にする段階になる。

次の「Plan Mode — 実行前にAIの計画を確認する」では、この章で見た4つのモードのうち、まだ扱っていないPlanを取り上げる。AIに計画だけを先に出させ、それを見てから作業させる使い方になる。大きな作業を任せる前の安全弁として働く。


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